タイラー基金は、2年間に及ぶ白血病との闘いの末に亡くなったタイラー・フェリスにちなんで設立しました。タイラーは日本の国立成育医療センターで優れた治療を受けましたが、この世を去りました。彼を支えた闘病生活を通して、その子どもたちを支える人たちのためにできることがまだたくさんあると感じました。そこで、治療を受ける子どもたちの毎日をいくらかでも楽にするために、ガンと闘う子どもとその家族を支援するための資金を集めるイベントを計画しています。
日本でガンの治療を受けている子どもたちは、概して長期間入院します。少なくとも9ヵ月、もっと長期にわたることもしばしばです。これは、患者を支える家族にとっても大変な負担となります。たいていの母親は、早朝から我が子が眠りにつく夜まで、毎日病院につめます。このことがたとえ(入院していない)他の子どもたちと過ごす時間を犠牲にすることになっても、必然的に病院が生活の場となります。もうひとつ問題なのは、子どもたちはガンの治療を受けながらもハッピーで遊ぶのが好きですし、健康な子どもたちがすることを自分たちもしたいと熱望していますから、このように長期にわたる入院は彼らにとって退屈であり、社会からの隔離でもあるのです。
このことを心にとめ、私どもが実際に経験したことを生かしつつ、日本人の医療アドバイザー・チームのご指導をいただきながら、今後の新たな活動の4つの重点領域を確認しました。
長期入院の子どもたち:
私どもの特別な募金イベント「スポーツエクストラバガンザ2006」の目的は、他の先進国にならって医師と患者の割合を改善する第一歩として、タイラーが入院していた国立成育医療センターの医療スタッフ(腫瘍医あるいは研修医)を増員することです。その結果、医療の質が向上し、医師が患者とじっくり話し合ったり、研究する時間も増え、そして日頃不足しがちな睡眠時間も改善されるようになります。さらに、入院している子どもたちへの教育と娯楽施設の改善も目指します。
患者の両親・兄弟姉妹への支援:
親御さんがカウンセラーに相談できるよう窓口を提供します。また、入院中の我が子とゆっくり面会することができるよう、その子どもたちの兄弟姉妹向けに国立成育医療センターのふきんで週末保育サービスも始めます。
診断のための検査費用の補助:
日本の医療保険制度の適用範囲は広いです。しかしながら、ガンの治療方針を決定するのに欠かせない診断のための検査に、保険が適用されないものがあります。現在、国立成育医療センターの医師たちは、このような検査をするためにその費用を自分たちの限られた研究費のなかから捻出しなければなりません。この検査を受けやすくするための基金を立ち上げたいと考えております。
骨髄および臍帯提供の促進
白血病(小児ガンの中で共通して最も多い病気の一つ)治療にとって重要なことは、骨髄/臍帯血ドナーの登録者数を増やすことです。それを社会に呼びかけ、皆さんにドナーになる方法を知っていただくことを目指します。
これらの活動は小規模からのスタートが殆どですが、タイラーが入院していた国立成育医療センターで始められます。他の病院にとってのモデルともなるでしょう。そしてこのような目標を達成する可能性をご理解いただければ、その病院もまた、計画実行のため私どもの支援を望んで下さるのではないかと願っています。
日本では非営利のチャリティー団体、資金集めをする団体の登録が増えていますが、非営利団体(NPO) という概念はまだ新しいものです。タイラー基金が非営利団体として日本のパイオニア的存在となることを願います。ガンと闘う子供たちを支援するだけでなく、非営利団体が人々の生活をよりすばらしくできることを示せたらと思っています。
